2012年10月29日月曜日

「東温アルプス」と「久万山回廊」


2012/9/20 (木)

「東温アルプス」と「久万山回廊」

 東温市と久万高原町の境界に横たわる山地が、近年「東温アルプス」と呼ばれるようになった。その名称がずっと気になっていた。
 一つは、○○アルプスといった類のネーミングの着想である。
 二つは、その「東温アルプス」の主峰ともいうべき「皿ケ嶺」と「石墨山」は大部分と全域が久万高原町分であることである。
 第一のことに関しては、昭和33年時点ですでに、旧制松山高等学校山岳部を指導され、愛媛の近代山岳会指導に尽力された、東温市井内大平に生を受けた故北川淳一郎氏が次のように指摘しておられる。「全国至る所に何々富士があり、また一時各地に何々アルプスが出来たのもこの轍だ。人間の心の一面には、こうしたいやなもの、いつの時代、いずれの国でも免れることが出来ないものとみえる。」(北川淳一郎「四国山岳夜話 上」東雲書店発行) 
 最近では、市町村合併で、山梨県に「南アルプス市」が誕生したのがその典型であろう。
 第二のことに関しては、山には、見る側によって、呼称が異なることがある。四国の名山「三嶺」は高知県では「さんれい」と呼び、徳島県では「みうね」と呼ぶ。地元久万高原町の岩峰は直瀬側からは小滝山といい、畑野川側では大滝山という。さきの「東温アルプス」1315.8mの山は、東温側では梅ケ谷山であり、久万高原直瀬側からは、サル口山と呼んでいる。
 山を歩く人には、道の整備と案内標識が最も大切であり、東温側では、「さくら山行会」による毎年の道作りと市による案内板設置がキチンとされている。敬意を表したいと思うし、久万高原側の遅れを痛感しているのだが、ここで、久万高原側からも、登山道整備や案内板の設置と共に、名称もつけたいと思う。私的な提案だが、「久万山回廊」というのはいかがだろうかと思う。自然の中で生きとし生けるものみな、ここを周り歩き、命をつないでいくものでありたいと願うのである。
作成者 tsurarenaisakana1 : 2012/9/20 (木) 12:39 [ コメント : 0]

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