2010.03.25 特定秘密保護法案とは
暗澹たる気持ちが日増しに強くなる。特定秘密保護法案や日本版NSC設置法案は今国会で成立の見通しだというし、本命の集団的自衛権行使を可能にする国家安全保障基本法は来年の通常国会に提出され、両院共に過半数を占めるようになった政府・与党は押し切って成立させるという。これらが法として成立すれば、自衛隊が海外で制限なしに武力行動をするようになり、日本は平和国家でなくなり、シリア攻撃の断念にみられるように、イラク戦争を経て、軍事力で問題を解決する時代を脱却しようとしている国際社会の動向からも取り残され、孤立した存在になろう。
その根本に、全く誤った考え方がある。これらの法案は、憲法破壊の法案であり、違憲の法案であり、歴史的に確定している、憲法で権力を縛るという立憲主義に背くものである。
今国会で審議されている特定秘密保護法案の大きな問題。
①防衛・外交・スパイ防止・テロ防止に関わる情報のうち特に秘匿が必要 なものの漏洩や取得に厳罰を科すもの。
②憲法9条で「戦力を保持しない」日本に「軍事機密」が存在するのか。
③表現の自由が大きく萎縮してしまう。
④何が特定秘密か分からないから、公務員は情報公開をしたがらず、現 在以上に闇から闇に葬られる情報になってしまう。
⑤憲法31条・刑法の大原則である罪刑法定主義に則らず恣意的に運用 される危険がある。何が罪になるのか明らかでない。
⑥裁判官は証拠の取り扱いが難しいし、弁護士は特定秘密にアクセスし にくいし、国会議員は行政監視の活動ができなくなるし、司法と立法の 機能が弱まり、行政だけが強くなり、三権分立は崩れ、民主政治は成 り立たなくなる。
⑦自衛隊や警察の監視が強まり、人権は制限され、自由な空気は世の中から消え、一般市民は政治に関与することを避けるようになる。
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